死ぬのはやはりつまらない
死の瞬間にも意識だけは
はっきりとしていたいものだ
できればその床の中で
有無いわされぬ
たった一度の体験として迎える
自分の死なるものを
意識を強め
目を凝らして
見つめてみたいものだ
それがかなったならば
多分
この俺はつい昨日
生まれたばかりのような気がするのに
もう死ぬのかと思うに違いない
弟、裕次郎や妻と息子たちへの
愛と感謝
通り過ぎていった女たちへの
思慕と感傷
苦くて美しいシルエットを
人々に焼き付けた男が
死して後
たった一回吐露した
「漢」(おとこ) であるための言い訳
この自伝は著者の死後発売される目的で書かれた作品。
生前に著者は校正ゲラチェックを四度済ませている
「自分と妻」の死後の出版の為に
書かれた自伝
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